2012.10.30

人前で話すこと

 市内の小学校に、
手話学習の指導に行ってきた。

対象は、4年生。
全部で98人。

10人のサークル会員で、割り振りをして、
「私の名前は◦◦です」
「おはよう」「こんにちは」「ありがとう」
などの手話を子どもたちと練習するのだけれど、
その前に、全体の前で、20分くらい話しをする。
手話とは、何か?
私たちの活動は、どういうものか?
聴覚障害者の人の生活について。

今日の話しは、私が担当だったので、
行く前から、かなり緊張気味だった。

大勢を相手に話しをするのは、難しい。

月一回の料理教室でも、子どもたちの前でレシピの説明などをするけれど、
たった5分でも、
全員の子どもたちの視線をこちらに向け続けさせることの難しさを、
痛感している。

しかも、手話学習の場合は、初めて会う子どもたちであり、
ただ声を張り上げて説明するのではなく、
「語らなければならない」のだから、
はったりはきかない。

前日から原稿を書き、
当日は出かける前まで、何度も練習をする。

主人が家の中をうろうろするので、
あっちの部屋、こっちの部屋、と移動しながら、
とうとう最後には、
トイレの中(!)で、鏡を見ながら練習することにした。
(自分の手話を確認するために、鏡を見る。)

私はもともと、人前で話すことは絶対出来ないタイプだったのに、
なぜ、今、こんな道をたどっているのだろう?

昔のこと。
高校生の時、思いがけず、クラブの部長になってしまった。(部長になる予定の子が突然やめてしまった)
話し合いをするとき、緊張気味に皆に、
「座って下さい。」と言うと、
みんながぞろぞろ〜っと椅子を出して座り始めた。
その感触が、何とも居心地の悪い、気持ち悪いものだった。
自分の言葉で、みんなが動く。
そのことが、いたたまれなくて、もう投げ出したいと思った。
そんな小さな私であった。

大学生の時、選択科目にあった教職課程。
これも、教育実習がこわくて、取るのをやめた。
私には、先生なんて仕事は、絶対に出来ないと思っていた。

社会人になって、職場会議というものに出たとき、
一言ずつ意見を言わされた。
部長、課長、主任、先輩・・・、
そんな人たちの前で、何を言えばいいのか?
顔は赤面するし、声はうわずるし、
これも又、堪え難い時間だった。

若い時からリーダーシップを発揮する人たちもいるが、
私はもともとは、こういう人間だった。

それが20代後半ごろからか、
少し変わってきた。

わかったことは、
これは、性格は関係なく、
体験で積み上げて行くものだ、ということである。

伝えたい、という気持ちが、
自然に、苦手を克服しようとする。

今は、上手に子どもたちの心を惹きつけられるような話し方を、
模索中。

へんなトリックを使うのはいやだ。
心を大切にしたい。

それには、やはり練習しかないのだ。

だから私は練習する。
おトイレの中で、何度も。

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