2014.12.28

満足のいくお買い物

 何年か前に、
「間違いのないお買い物」という題名の本を、
本屋でパラパラと見たことがある。

雑誌で活躍するスタイリストさんなど、
いわゆる’暮らし屋さん’たちが
自分のお気に入りの品物を紹介して、
それがどこでいくらで売っているか、ということが
明記してある本である。

でも私は、人それぞれの好みやニーズに合わせてする買い物を、
「間違いのないお買い物」などと
定義出来るものではない、と思う。

それよりも、
「満足のいくお買い物」をしたい、と
強く思う。


OLの頃、仕事帰りによく
高島屋のマーガレットハウエルによく立ち寄った。

ここには、今でも、出会った中でナンバー1と言えるほどの
本当に接客の上手な、Iさんという店員さんがいた。

絶対に押し売りはしない。
心ゆくまで試着をさせてくれる。
そして迷っていたら、思い存分迷わせてくれる。
そして本当にタイミング良く、上手なアドバイスで
私を決断させてくれるのだった。

そして、
買う、買わないにかかわらず、
私がここのお店の洋服を心から愛していることを
とても理解してくれた。
(これは、今私がよく行くリゼッタの店員さんにも言える事だ。)

この時買った洋服は、未だに私の箪笥にかかっている。
時代が変わり、私も年を取ったけれど、
絶対に絶対に、手放すことはできないし、
機会があれば又、着たい、と思っている。

マーガレットハウエルの洋服は
数が少なかったし、いいのはすぐに売り切れるから
今みたいに、セールまで待つ、ということはしなかった。
OLの頃の私は、今と違って裕福だったのだ。

セール時にお店に立ち寄ったとき
私が買ったワンピースが、30%offになっていたことがあった。

Iさんは私を見て、本当に申し訳なさそうに、ごめんなさい・・・、と
言った。

私は、いいえ、と笑顔で答え、今までさんざん着ましたから、と
心から言った。

Iさんは、そんなやり取りが出来る店員さんだった。


又、先日、自由が丘のハグオーワーに行ったとき、
15周年記念のマグカップを買おうと、店員さんに声をかけた。

ピンクはありますか?

さっき目にしたから、絶対にある、と信じて聞いたのに、
売り切れました・・・、と返事が返ってきた。

その時の、その店員さんの申し訳なさそうな顔!!

私の残念な気持ちを分かち合うかのように、
本当に惜しい、という気持ちがこもっていた。

何でも、ほんの先ほど、まとめて買って行った人がいたそうだった。

直前に、ピンクのラインのキッチンクロスを買って
ピンクの文字の入ったマグカップとお揃えで使う絵を
頭にくっきりと描いていたので、
売り切れは、もちろん私を混乱させた。

でも・・・。

潔く、ブラックの文字の方のマグの購入を決めた。

仕方ない、ときっぱり思えた。

ブラックにする、と告げたときも
まだ、残念そうな顔をしてくれているので、
ピンクがあったらあったで、迷っていたかもしれないですから、と
私が言うと、少し安心してくれたようだった。

ピンクを買うことが出来なかったのは本当に残念だけど、
私の心はそれとは裏腹に、さわやかだった。

ブラックだったら、ピンクではなく、水色のキッチンクロスを。
それも素敵かもしれない、と
又違った未来が見えてくるのだ。

こういうのが、私にとっては最終的な
「満足のいくお買い物」なのである。

そして私はいつも、99%の割合で、
「満足のいくお買い物」をしている。

それは、心から惚れ込んでいるお店でしか
自分のものは買わないからである。

商品と顧客は、縁で結ばれいているのだ。

だから、
「間違いのない買い物」という表現はちょっと違うなぁ、と
私は思う。


これが、例のマグカップ。 その後、ブラックもあっと言う間に売り切れた。

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